試合中は敵と味方として激しく戦い合ったプレーヤーも、試合が終わればお互いの健闘をたたえ合い、同じラグビーを愛する仲間どうしとして友情で結ばれる。これが「ノーサイド」の精神です。
今回の都知事選では、「脱原発」を強く訴えるふたりの候補者、宇都宮けんじ氏、細川護煕氏が立候補し、この問題が大きな争点となって有権者や全国の人々、マスメディアの大きな関心が集まりました。両候補への支持を表明した人たちは、それぞれの立場で一生懸命、投票を呼びかけ、「脱原発」を訴えました。
私たちは、その方たちすべてに深く敬意を表します。
そして、激しい選挙戦は終わり、健闘むなしく両候補とも当選には及びませんでした。とても残念なことに思います。
しかし、この選挙戦を通して両候補が訴えてきた「脱原発」「平和の発信」「環境重視」「安倍政権暴走へのストップ」などへの取り組みまでが、これで終わったわけではありません。
今回の選挙で私たちは、東京、いえ全国に、脱原発を願い、協調と平和を愛し、どんな人にとってもやさしい社会を目指したい、と願う人たちが大勢いることを知りました。万が一、今回の選挙でその大きな力が削がれるようなことがあれば、それは選挙結果以上の痛手となりかねません。
ラグビーの試合終了の合図は、「ノーサイド」。
私たちもそれぞれが「ノーサイド!」と宣言し、自分をたたえ、仲間をたたえ、相手やその仲間をたたえて再び手を取り合い、前を向いていっしょに歩んで行きましょう。
2014年2月都知事選を終えて トーキョー・ノーサイド!実行委員会
雨宮処凛
池田香代子 香山リカ |